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撮影ディレクション / 氷瀑は、全身で受け取る場所。冬でも行ける十和田湖、観光PR撮影

撮影ディレクション / 氷瀑は、全身で受け取る場所。冬でも行ける十和田湖、観光PR撮影

diary

氷瀑を舞台にした撮影プロジェクトで、bebopでは撮影ディレクションを担当しました。ありがとうございます。今回「撮影ディレクション」と記載していますが、業界ではさまざまな呼び方があります。アートディレクション。撮影ディレクター。クリエイティブディレクター。プロデュース兼ディレクション。ビジュアルディレクション。ふだんは、デザイン、グラフィックデザイン、ウェブサイト制作、ライティングなどを行っていますが、こうした撮影に関わるディレクション業務も、その延長線上にあります。広告やブランド撮影、観光PR、アパレル、自治体案件などの現場では、これらの役割はごく一般的に存在しています。名称は違っても、本質はひとつ。全体を整えること。AIによって再現できるビジュアルの幅は確実に広がりました。それでも、現地でしか撮れない光や空気を受け取り、それをどう手直しし、どうコンセプトとして設計するかが、より重要になると感じています。フェイクももちろんありではあるけど、リアルとの向き合い方。画の関係性を考えること。

▲撮影と同日の南部町周辺

▲撮影と同日の青森市

▲撮影と同日の十和田湖周辺
南部町や八戸市周辺にはほとんど雪がなく、青森市では街の機能に影響が出るほどの積雪がありました。同じ県内でも、冬の表情は大きく異なります。その中で十和田湖周辺は、きちんと雪がありながらも、森に囲まれているからかどこか穏やかでした。もちろん天候や路面状況には十分な注意が必要ですが、車で移動したり、無理のない範囲で景色を楽しんだりするには、比較的バランスのとれた冬の環境なのかもしれません。過度に踏み込まず、雪を適度に味わう。そんな距離感で向き合える場所だと感じました。

モデルやカメラマンと共有しながら方向性を定めること。氷瀑の撮影香盤を作成し、現場の進行を管理すること。撮影をただ進めるのではなく、撮影全体の空気と構造を整えていく仕事です。とくに自然の中でのロケーション撮影では、予定通りにいかないことのほうが多い、その不調和な部分が最高。

撮影当日は青森で記録的な大雪と報道が出ていた日。南部方面は、思っていたより穏やかで、ニュースとの温度差を感じながら車を走らせました。十和田へ向かうにつれて、景色に少しずつ雪が。路肩の雪の厚み、空気の冷たさ、タイヤの音。進むと冬はきちんと姿を現します。十和田湖周辺は、ちょうどいい雪。厳しさはあるけれど、怖すぎない。撮影としては理想的なコンディション。木の揺れる音。枝から落ちる雪のかすかな衝撃。肌で感じる気温の変化。氷瀑は、ただ凍っているわけじゃない。その場に立つと、空気ごと動いているのがわかる。目で見るより、身体で受け取る今日だけの風景。

事前のロケした風景とは姿が違う氷瀑。人物の距離。どこまで近づくか、どこまで引くか。雪の中で人をどう立たせるか。立ち位置を数歩変えるだけで印象は変わる。景色の入り方を見ながら、人物の重心を整える。今日の氷瀑を主役にしながら、人の存在のバランスをみる作業。

冬のロケは、寒さとの戦い。撮影、待機、移動、休憩。無理をさせない設計を共有しておく。寒い中で安心して動ける環境をつくることが今回の仕事でもある。難しかったけど楽しかった。

撮影を終え、スタッフさんはこのあと森の中でおでんの鍋パーティーをするのだと話してくれました。暗闇の中で火を囲む冬。すごい。僕らは撮って帰るけれど、彼らはその自然の中にもっと入り込んでくんでいくんだ。十和田の冬は、きちんと美しかった。木の枝に積もった雪は、ご注意ください。

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