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書籍掲載 / 観光地域づくりの軌跡。書籍「なぜ、空き店舗が連なる温泉地が再び活気を取り戻したのか」と、bebopのロゴデザイン

書籍掲載 / 観光地域づくりの軌跡。書籍「なぜ、空き店舗が連なる温泉地が再び活気を取り戻したのか」と、bebopのロゴデザイン

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先日、蔵王温泉の「高湯堂」などを手掛ける株式会社LABEL LINK代表・竹直也さんの著書「なぜ、空き店舗が連なる温泉地が再び活気を取り戻したのか」たった一人の意志が導いた観光地域づくりの記録が出版されました。bebopではこれまでディレクターと、長い時間をかけてデザインまわりの制作をともにしてきました。ロゴ。パッケージ。一部内装。ブランドの見え方。店頭での佇まいなど。商品が旅人の手に渡り、誰かの日常へ持ち帰られるまでの景色を想像しながら、ひとつひとつの制作に向き合ってきました。ひとつひとつは小さな制作物だったかもしれません。この本では大切な時間の記録のように感じられました。デザインが地域で機能し、事業の成長とともに、必要なかたちが増えていく。その積み重ねが一冊の本の中に残る。物語は山形県・蔵王温泉の高湯通りからはじまります。

とりわけロゴをつくる仕事は、いつも緊張します。長く人の目に触れ続けるものになる可能性があるからです。どこかの入口に掲げられたり、商品に印刷されたり、包装紙やショップカードに入ったり、旅先で買われたものと一緒に誰かの家まで運ばれたりする。ロゴは、つくって終わりではありません。その場所で使われ続け、少しずつ人の記憶に残っていくものです。だからこそ私たちは、デザインを「消費されるもの」ではなく、「蓄積されるもの」として考えています。見た目を整えるだけではなく、時間とともに事業の資産になっていくこと。地域やブランドの未来に対する、投資として機能していくこと。そのかたちを提示するのが、私たちの仕事だと考えています。

本を開いていただくと、運営店舗紹介のページに、私たちが手掛けたロゴが並んでいます。それは単なる実績紹介というよりも、竹さんたちが各地に打ってきた「点」の記録であり、私たちがデザインで伴走してきた時間の地図のようにも見えました。

蔵王温泉  Zao Onsen 湯旅屋 高湯堂
遠刈田温泉 Togatta Onsen 湯旅屋 蔵王堂 & 蔵王湯けむりプリン
黒川温泉  Kurokawa Onsen 湯旅屋 黒川堂
蔵王温泉  TAKAYU 温泉パーラー
仙台空港  えふと仙台空港
福岡空港  えふと福岡空港

本書を読みながら、私自身の地元のことも考えていました。私の住んでいる地域でも、空き家が大きな課題になっていると自治体の方からよく聞きます。使われなくなった家や場所を、どうにかもう一度活かせないか。そう思う一方で、実際に動かそうとすると、簡単ではないことも感じます。都市部のように、買い手や借り手が比較的見つかりやすく、出口も描きやすい不動産市場とは違い、地域の物件には独特のリスクがあります。投資したとしても、すぐに回収できるとは限らない。再び売れる保証も、借り手がつく保証もない。建物の状態、持ち主の事情、地域の人の思い、行政の制度、事業として続けていくための現実。ひとつの空き家を動かすだけでも、そこにはいくつもの見えない線が絡み合っています。空き家は、空っぽの建物ではなく、まだ次の物語を待っている器なのかもしれません。けれど、その器をもう一度動かすには、所有者、地域、行政、事業者、そして使う人のあいだにある見えない線を、ひとつずつ結び直していく必要があります。だからこそ、高湯堂の物語は、遠い温泉街だけの話には思えませんでした。

高湯堂から始まった取り組みが、蔵王温泉を越え、遠刈田温泉へ、黒川温泉へ、そして各空港へと広がっていく中で、その節目ごとにデザインで伴走できたことを、とても光栄に思います。これからもbebopは、土地の物語と、人の意志に寄り添いながら、その場所に必要なかたちをつくっていきたいと思います。蔵王温泉の高湯通りに灯ったひとつの光が、これからも多くの人の旅の記憶となり、また次の場所へとつながっていきますように。

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