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遠い道を走って、まちの息づかいを聴いた|かぜ・まち・ひとマルシェ

遠い道を走って、まちの息づかいを聴いた|かぜ・まち・ひとマルシェ

diary

風がまちの断片をふわりと運んできた、日曜日の午前。
南部町からの道は少し遠かったけれど、前日の暴風雨が嘘のように晴れた空が、ドライブする日曜日をそっと引き立ててくれていた。
缶コーヒーを握って、コンビニで人に会わずに済む気楽さに少しだけホッとする。

 

駐車場に着くと。

 

音楽が風に乗って聴こえていた。駅前のその空間が、いつものまちとは少しだけ違っていた。

地域でなにかするということ。

その形は様々で、誰かがつくってきたことを誰かが更新していく。持続できたらいいなというイベントも誰かが去ったり、状況が変わるとなくなってしまったりする。なにかを立ち上げるとか、持続することはすごいことで、とても体力のいることだ。

心地いいものもひとそれぞれだから何かをしようにもとても怖い。そしてつくられているカタチにはなんとなく人柄が見えるからドキドキもする。

川上さんとふたりで「ああしよう」「こうできたらいいね」と壁打ちを重ねた今回の広告制作。進行がとてもポジティブで、いい人と出会えたという手応えを感じながらつくることもまた幸せだった。気が合うということ、それは大切なことだ。

完成した広告を主催者に見て頂いて「いいですね」と言ってもらえたのもうれしかった。マルシェのポスターとフライヤー、ぼくたちの色でいいのかと少し不安でもあったけれど、いいものができた気がするという実感を胸にふらりと階上へ。

駐車場に着いた瞬間、見えた生まれたばかりのイベントのカタチ。

かっこいい。

ロケーションもステキだったし、いい空気がここにある。

ぼくは主催者に挨拶できない小心者なので、そっと帰ってきてしまったけれど、いいイベントが生まれたんだなと感じた。すごいことだ。

昨日の暴風雨からの晴天。でも少しいたずらな風。

晴れを呼び込んだ主催者の運、差し込むカラフルな行灯、その下で、少し冷えた空気の中、椅子に腰を下ろし和む人たち。地域の方々が参加しやすい、イベント。

来た道とは違う海沿いの道を選んで帰ろう。

帰り道、行きで買った自販機の缶コーヒーより20円高い同じ銘柄の缶コーヒーをまた買って、走る。

防波堤で釣りをする人。

やれた小屋がある波打ち際。

倒木。

大量の落ち葉の残骸。

風で落ちた小さな大量の林檎たち。

朽ちていく方が早いこの世の中で、そんな景色の一片の中に、新しく生まれたこのイベント、とてもとても美しく。

関わらせてもらえて、本当に良かった。お仕事、ありがとうございました。

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